市丸博司によるタイム系予想理論の決定版

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  「タイムフィルターOnLine」にアクセスいただき、ありがとうございます。作者の市丸博司でございます。このコーナーでは、わたくしから「タイムフィルター」とは何かについてご説明したいと思います。

  タイムフィルターは、従来のタイム系理論とはまったく一線を画すものとして、2002年4月ごろから開発を開始。半年の月日を経て、2002年秋頃、一応の完成をみました。簡単に言えば「走破タイムを比較検討し、予想に役立たせる」ための理論です。その後、改良を重ね、単行本「タイムフィルター」を発行(2003年春)。これ以降、現在の形となっています。

  私個人の予想方法の変遷について、述べておきましょう。タイムフィルター完成以前は、みなさんご存知「西田式スピード指数」を使用させていただき、数年にわたって数多くのメディアで競馬の予想を展開していました。同理論を主宰される西田和彦先生には、さまざまな面でお世話になり、非常に感謝いたしております。

  「西田式スピード指数」は発表時に一斉を風靡しただけでなく、さまざまなタイム系理論に影響を与え、いまだに数多くのユーザーを抱える素晴らしい理論だと思います。私は、その計算ソフトのマニュアルを初期から一貫して手がけており、ソフト作成にもいろんな形で参加してきました。その縁もあって、自らの予想に西田式スピード指数を取り入れさせていただいてきたわけです。

  ただし、その間、タイム系理論の使い手としては、さまざまな疑問点や改良すべき点を実感していたのも事実です。いかんせん自分の理論ではないため、そうした点を自ら変更していくわけにはいかず、内心忸怩たる思いを抱いたままでおりました。そして2002年春、一念発起し、西田先生にご了解を得た上で「自らの手によるタイム理論」を構築いたしました。何年も携わっていたからこそ、タイム理論について数々の理想形を描くようになり、自分の理論を作るべき必然性に迫られた。そういうことだとお考えくだされば幸いです。

  タイムフィルターが他のタイム理論とまったく異なる点は、大きく分けると以下の4つになります。

アンドリュー・ベイヤーの「スピードインデックス」を否定し、これとは異なる計算式や概念を使用していること
タイムフィルター(TF)指数だけでなく、スタート(S)指数、ミドル(M)指数、ラスト(L)指数、ダッシュ(D)指数を算出。細かく走破タイムを分析したこと
芝のマイル戦以上では「TFペース」と名づけたペース分析による予想方法を確立。今回のペースに合ったペースパターンで高い指数をマークしている馬を有力視していること
5つのフィルターをかけるだけのシンプルな計算式。ただし、従来のタイム理論にない「スローペースによる走破タイムの差」「馬場の内外の差」をフィルター化(スローフィルター、トラックフィルター)し、斤量差も実態に即したものを「斤量フィルター」として採用。競走馬の厳密な能力比較にさらに迫ったこと

  1に関しては、ベイヤーがスピードインデックスを算出する際に取り入れた「距離による重み」を無視しました。日本の場合、距離によって走破タイムを指数化するのはあまり意味がないという観点からです。距離というよりは、コースによるタイムの出やすさが走破タイムを支配する。それが日本の競馬です。一律に距離補正を行なうよりは、コース別にフィルターをかけるほうが実態に合っている。私はそう考えました。

  また、基準タイムという概念もなくしました。コース別のフィルターを作ったことで、基準タイムは必要なくなったのです。基準タイムは、作ろうとすればするほど誤差を生むし、むしろ不要である、というのが私の考え方です。

  2に関しては、これを採用したことで競走馬の「走り方」を分析できるようになったのが大きいと思っています。過去のタイム理論にない「中間の距離のタイム分析」(M指数)を採用したことにより、微妙なレースの流れを分析できるようになったことも大きなポイントでしょう。

  3については、「競馬予想TV!」などで、すでに数多くの実績をあげています。これを考えるだけで、中長距離の芝レースも安心して馬券が買えるようになりました。穴サイドの馬券も比較的容易に獲れるといえるでしょう。

  4については、以下に計算式を記しておきます。これによって理解してくだされば幸いです。

【タイムフィルター指数の計算式】

タイムフィルター (TF)指数= 走破タイム×コースフィルター×馬場フィルター×トラックフィルター×出走時の斤量フィルター+1030(+スローフィルター)※走破タイムは秒数×10
コースフィルター
 コースの形状差。『日本の競馬はコースの形状差によるタイムのばらつきが激しい』というのが持論。距離単位ではなく、コース単位で走破タイムを評価する目的で、このフィルターが存在する。具体的には、競馬場・距離・コース(仮柵)別にフィルターがある。つまり、中山芝1600mAコース、阪神芝1200mCコースなどのコースフィルターがあるという具合だ。
馬場フィルター
 馬場差。これだけはベイヤー以後のスピード指数の考え方から導入したものである。ただし、あくまでも「コース別」の理念を徹底させ、ダートコースで最初に芝を通るコース(中山1200mダート、阪神1400mダートなど)は、ダートコースとは異なる馬場フィルターを使用している。『芝を通るのにダートと同じ馬場差のわけがない』という考え方からだ。
トラックフィルター
 馬場の内外差。いわゆるトラックバイアスである。通った距離の損得だけでなく、明らかに内有利な馬場、外有利な馬場を是正し、能力比較に反映させる。これをデジタルに算出したことが、タイムフィルターの最も斬新な点だといえる。
斤量フィルター
 斤量差。斤量による有利不利を是正するものだが、単純に「1キロいくつ」のようなやり方ではない。数多くのレースから0.5キロあたりのタイムに与える影響を分析。具体的には「一定の斤量より重くなればなるほど影響が大きく、軽くなればなるほど影響力はなくなる」という考え方でフィルターを作成している。
スローフィルター
 スローペースによる指数の低下を防止するもの。最近は1800m以上の芝の競馬、2100m以上のダート競馬でスローペースは主流となっている。芝は1400~1600mでも、スローが散見されるようになってきた。スローペースだから指数が低い、などということでは、もう馬券は取れない。これはもう、現代競馬に必須の概念だろう。

  以上、少し長くなってしまいましたが、タイムフィルターの考え方をかいつまんで述べてみました。タイムフィルターは、市丸博司が全身全霊をかけて打ち込んだ「タイム系理論の集大成」といえます。みなさまの馬券の参考になることを願ってやみません。ぜひ、タイムフィルターの世界を堪能していってくださいませ。

筆者プロフィール

市丸博司 (いちまる ひろし)

昭和34年佐賀県嬉野町生まれ。
「パソコン競馬ライター」としてパソコン競馬の創生期から活躍。今やこの道の“大御所”的な存在である。
  著書に「TARGET THE ワイド」(共著・KKベストセラーズ)、「1日36レース馬券必勝法」(ラジオたんぱ)、「競馬ファンならパソコンがすぐできる」(廣済堂出版)、「種牡馬 回収率/データマニア」(情報センター出版局)など多数。
  また、「夕刊フジ」(土曜の関東版及び日曜の全国版)、「競馬最強の法則」にコラムを連載中。テレビでは、スカイパーフェクTV!・フジテレビ739の「競馬予想TV!」、グリーンチャンネル「明日のレース分析」にも出演している。
【市丸博司のパソコン競馬ニュース】 http://www.layered.co.jp